胃・十二指腸潰瘍

以前から酸のないところに潰瘍はないといわれるように胃酸が潰瘍の成因に深く関与しています。 空腹時の痛みは十二指腸潰瘍が多いとか黒い便がつづけば潰瘍があることが多いです。最近ではヘリコバクターピロリ菌が潰瘍の再発の有無に関与することが知られています。
胃・十二指腸潰瘍で手術することは滅多になくなりましたが深い潰瘍を放置すると穴があいたり、変形したり、貧血がひどくなったりします。やはり、内視鏡で観察し、ヘリコバクターピロリ菌のチェックや潰瘍の程度の把握が必要です。

胃がん

早期胃ガンは無症状で検診や、偶然に見つかる場合が多く、内視鏡治療や縮小手術があります。 進行胃ガンは体重減少、食欲不振などさまざまな症状があり、広範な手術、抗癌剤その他の治療が必要になります。 胃ガンはいろんな顔つきの組織があり、進行の早いものから、遅いもの、さまざまです。必ずしも若いから、進むのが早いとか高齢だから遅いというわけでもありません。
現在のところ内視鏡で診断し、(組織を調べて)進行度を把握してどういった治療が適切かどうかを早く決定するかが大切です。

小腸

胃と大腸の間に位置し6m~8mの長さの臓器で胃液といっしょにどろどろになった食物を消化吸収するところです。
小腸はいつも動いており、物が停滞しないため、大きな病気はあまりないといわれています。しかし、若い人には腹痛、下血や下痢などを症状とするクローン氏病やお腹の手術をしたあとにみられる腸閉塞などは小腸の病気として知られています。

大腸

大腸の病気は多く、便秘、下痢、腹痛、お腹がはった感じ、血便その他多くの症状がみられます。 大腸がん、憩室症、潰瘍性大腸炎、腸炎や過敏性大腸症候群など外科的処置が必要な疾患、長期におよぶ疾患、家庭での予防や食事指導が大切な疾患などさまざまです。
検診で便潜血反応が陽性であったりすると大腸の検査をした方がいいと考えます。大腸の検査はバリウムと内視鏡検査があり、ともに肛門から管を入れて検査しますが、便秘の方とそうでない方とは前処置は違います。

大腸がん

盲腸から始まって直腸までを大腸といい、ガンが出来た場所で直腸がんとかS状結腸がんとかいいます。 便がいちごジャムのようになったり、便が細くなったり、便が出にくくなってお腹がはってきたり、痔と思っていて、粘液状の便がでたりすれば大腸がんを強く疑います。 大腸がんの治療は手術療法が中心ですが、最近では腹腔鏡を補助してできるだけ侵襲を少なくする手術も行われています。
直腸ガンに関しては肛門に近いと人工肛門となることもあります。また、大腸の大部分のポリープはガンになるといわれています。これは内視鏡で観察し、ポリープをとることができます。
症状があればあまり恥ずかしがらず、積極的に検査を受けることが必要です。